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日本語に強いモデルは、英文を日本語にするのも得意なのか

目次
  1. きっかけ
  2. 学んだこと
  3. 自分なりの理解
  4. 実践へのつなげ方

きっかけ

洋書の段落をローカルLLMに訳させ、どちらの訳が読みやすいかを盲検で選ぶ試験を行った。訳文をモデル名を伏せてA/Bに並べ、原文を意識せずに「一読して意味が頭に入るほう」を1つ選ぶ。問題は手元の洋書PDF 23冊から、毎回初見の段落を48問抜き出している。

前回、gpt-oss-120bとgemma-4-26b-a4bを比べたら、gemmaが48問中38問を取った。大きいモデルよりも、小さいMoEが優れている結果になった。

日本語を鍛えたモデルで試すことにした。候補は二つ。一つは、gpt-oss-120bに日本語の追加学習と強化学習をかけたgpt-oss-swallow-120b-rl。もう一つは、国立情報学研究所の国産モデルLLM-jp-4 32B-A3Bで、日本語MT-BenchでGPT-4oを上回ったと発表されている。日本語が得意なモデルなら、英文を日本語にする仕事でも強いと予想した。

学んだこと

結果は、どちらもgemma4に届かなかった。

相手を三つ替えても、gemmaの勝率は75〜81%の幅にほぼ収まった。gpt-oss、Swallow、LLM-jp-4の三者の間には、明らかな差がない。

自分なりの理解

LLM-jp-4の日本語そのものは流暢だが、崩れているのは、英文の構造を読み取ってから、日本語として組み立て直すところだった。

では、推論量を上げれば読み違えは減るのだろうか。減ることを期待して、highで同じ48問を訳させた。言い回しは確かに良くなった。誤字が消え、崩れていた最後の文も減った。しかし、意味を逆にした一文は、highでも一字一句に近い形で同じ誤りを繰り返していた。

推論を増やして磨かれるのは、表現のほうだった。原文をどう読んだかは、推論の量では変わらない。

「日本語が得意」には、少なくとも二つの能力があるようだ。日本語で流暢に書く力と、英文を読み解いて日本語の順序に組み立て直す力だ。MT-Benchが測っているのは主に前者で、翻訳の読みやすさを左右しているのは後者のようだ。

実践へのつなげ方